基礎知識

競艇の進入 (コース取り) 2026 ─ 枠なり進入・前付け・スロー/ダッシュの基礎

競艇の進入 (コース取り) を初心者向けに整理。 枠番とコースが別物である理由、 ピット離れから待機行動・助走までの流れ、 枠なり進入と前付け、 スローとダッシュの助走距離の差、 進入固定競走まで。 スタート展示での確認ポイントと、 やりがちな誤読も添えて解説する。 断定や保証はしない。

公開: 2026-09-03

競艇を見始めた人がまず戸惑うのが、 「1号艇が1コースとは限らない」 という点だ。 陸上の競技なら1レーンの選手は1レーンを走る。 だが競艇はピットを出てからスタートラインに向かうまでの間に、 どのコースから走るかを選手同士で取り合う。 この取り合いが進入 (コース取り) で、 レースの前提を最初に決めてしまう部分でもある。 この記事では、 進入の仕組みと、 出走表・スタート展示での見方を整理する。

本記事は進入の仕組みを整理した基礎知識コンテンツで、 「予想」 でも 「買い目」 でもない。 ここに書いた見方をすれば当たる、 という話ではなく、 レース前に何が起きているかを説明するものとして読んでほしい。 舟券は20歳以上から。 のめり込みには十分注意を。

枠番とコースは別物

出走表に書かれている 1〜6 は枠番 (艇番) で、 ピットでの並び順を示す。 一方でコースは、 実際にスタートラインへ向かうときの内側からの位置だ。 多くのレースでは枠番の順にそのまま並ぶが、 選手が内側を奪いに行けば、 6号艇が1コースから、 1号艇が3コースから走るということも起こる。

用語意味
枠番 (艇番)出走表に載っている 1〜6 の番号。 ピットの位置と舟券の数字はこちら
コーススタート時に実際に走る内側からの位置。 進入で変わりうる
枠なり進入枠番の順にそのまま並んだ進入 (1号艇=1コース…)
前付け自分の枠番より内側のコースを取りに行く動き
舟券は枠番で買う。 だが展開を左右するのはコースのほうになる。

この 「買う単位は枠番、 効いてくるのはコース」 というズレが、 進入を理解しておきたい理由になる。 枠番だけを見て決めると、 進入が動いたときに前提ごと崩れてしまう。

ピット離れから助走まで ─ 何が起きているか

進入はスタートの直前だけの話ではなく、 ピットを出た瞬間から始まっている。 大まかな流れは次のとおり。

  1. ピットアウト ─ 全艇が一斉にピットを離れる。 ここでの出足の差がコース取りの主導権に影響するとされる
  2. 第2ターンマーク側へ向かう ─ 各艇が取りたい位置を目指して動く
  3. 待機行動 ─ 決められた区域内で隊形が固まっていく。 内を主張する艇があればここで駆け引きになる
  4. 助走 ─ 隊形が決まったらスタートラインに正対し、 各自の助走距離を取る
  5. スタート ─ 大時計の針が0を回ってから1秒までの間にスタートラインを通過する (フライングスタート方式)

待機行動には妨害を禁じるルールがあり、 違反と判断されればペナルティの対象になる。 「どこまで内を主張していいか」 は自由な取り合いに見えて、 枠の中での駆け引きになっている。

枠なり進入 ─ いちばん多い基本形

コース取りの駆け引きをせず、 枠番どおりに並ぶのが枠なり進入。 現在のレースはこの形になることが多く、 出走表の枠番がそのままコースになる。 まずはこの形を基準に置き、 「今日は動きそうか」 を後から確認する順番でいい。

枠なりが多い理由のひとつは、 前付けにコストがあることだ。 内を取りに行けば助走距離が削られ、 スタートで置かれるリスクが上がる。 得られるものと失うものが釣り合わないなら、 素直に枠なりで構えるほうが結果につながる ─ そう判断される場面が多い、 ということになる。

前付け ─ 内を奪いに行く動き

前付けは、 自分の枠番より内側のコースを取りに行く動きを指す。 6号艇が1コースまで押し込む形が典型で、 進入隊形が枠番と大きく食い違う。 インから逃げる形が有利とされる競技である以上、 内を取りに行く動機は常にある。

前付けで得られるもの引き換えに背負うもの
内側のコース ─ 1マークまでの距離が短い位置助走距離が短くなりやすく、 スタートが深くなりやすい
相手の隊形を崩せる駆け引きの時間を使うぶん、 態勢が整わないことがある
自分の得意な形に持ち込める押し込まれた側が引かず、 混雑した進入になることもある
前付けは 「内を取れば有利」 という単純な話ではなく、 助走との交換になる。

前付けを仕掛ける選手はある程度固定されている。 「この選手が外枠にいるときは動く可能性がある」 という前提を持っておくと、 スタート展示を見るときの解像度が上がる。 常連の顔ぶれは前付け特集の記事にまとめてある。

進入が動いたレースは、 枠番ベースで組んだ見立ての前提が変わる。 「1号艇が内枠だから」 という理由だけで固めていると、 1号艇が3コースに置かれた時点で根拠が消える。 だからといって進入の動きを事前に当てられるわけでもない ─ カセジマでは的中率・回収率を保証する情報は一切出していない。

スローとダッシュ ─ 助走距離の差

進入隊形が決まると、 各艇はスタートラインに正対して助走を取る。 このとき内寄りで短い助走を取る艇をスロー、 外側から長く助走を取る艇をダッシュと呼ぶ。 一般的には1〜3コースがスロー、 4〜6コースがダッシュになりやすい。

区分おおよその位置特徴とされること
スロー1〜3コース1マークまでが近い。 助走が短いぶん、 スタートの速度は乗りにくい
ダッシュ4〜6コース助走が長く速度を乗せやすい。 その勢いでまくりを狙う形になりやすい
助走距離の差が、 逃げ・差し・まくりといった決まり手の出やすさにも絡んでくる。

スロー勢とダッシュ勢の間に空きができる隊形は 「4対2」 「3対3」 のように呼ばれる。 ダッシュ勢が何艇いるかで1マークの絵が変わるため、 スタート展示ではこの並びを確認しておきたい。

進入固定競走とは

開催によっては、 全艇が枠番どおりのコースからスタートする 「進入固定競走」 が実施されることがある。 コース取りの駆け引きが発生しないぶん、 枠番とコースが一致した状態でレースを見られる。 スロー3艇・ダッシュ3艇の形で行われるものもあり、 通常の枠なり進入とは助走の取り方が異なる。 実施の有無はレースごとに公式の開催案内で告知されるので、 該当するレースかどうかはそちらで確認してほしい。

進入はどこで確認するか

  • スタート展示 ─ 本番前の試走で進入隊形と展示STが見られる。 進入を確認する最大の材料。 ただし本番で同じになる保証はない
  • 選手のコース別成績 ─ 出走表に載っているコース別の数字。 外枠でも内寄りの成績が多い選手は、 動いている可能性がある
  • 前節までの進入傾向 ─ 公式の選手成績ページで、 直近の節でどのコースから走っていたかを追える
  • 実況・場内の情報 ─ 進入の主張があった場合、 その場でアナウンスされることが多い

順番としては、 出走表で 「動きそうな顔ぶれか」 を見て、 スタート展示で実際の隊形を確認する。 展示で動きがあったのに本番で枠なりに戻る、 逆に展示は枠なりでも本番で主張する ─ どちらもありうるので、 断定はしないほうがいい。

やりがちな誤読

よくある読み方抜けている視点
1号艇だから1コース前付けがあれば枠番とコースはずれる。 展示で確認する
前付けした艇は有利内を取った代わりに助走が短い。 スタートが決まるとは限らない
展示が枠なりだったから本番も枠なり展示と本番で主張が変わることがある
ダッシュ勢は外だから不利助走が長く速度を乗せられる。 まくりの形に持ち込める位置でもある
進入が荒れたレースは全部荒れる隊形が崩れても内が残ることはある。 決まり手は展開次第
いずれも 「枠番とコースを混同していないか」 を確認すると避けやすい。

レースの読み方をもっと知りたい人へ

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よくある質問

競艇の枠番とコースは何が違いますか?

枠番 (艇番) は出走表に載っている 1〜6 の番号で、 ピットの位置を示し、 舟券もこの番号で買う。 コースはスタート時に実際に走る内側からの位置で、 進入 (コース取り) の結果で決まる。 枠番の順にそのまま並ぶ枠なり進入が多いが、 前付けがあれば6号艇が1コース、 1号艇が3コースといったズレが生じる。

前付けをすると有利になるのですか?

内側のコースを取れば1マークまでの距離は短くなるが、 内側の艇より先にスタートラインへ正対する必要があるため助走距離が短くなりやすく、 スタートが深くなるリスクを背負う。 得るものと失うものの交換であり、 前付けした艇が有利になると決まっているわけではない。

スローとダッシュの違いは?

内寄りで短い助走を取る艇をスロー (おおむね1〜3コース)、 外側から長い助走を取る艇をダッシュ (おおむね4〜6コース) と呼ぶ。 スローは1マークまでが近く、 ダッシュは助走が長いぶん速度を乗せやすい。 隊形は 「4対2」 「3対3」 のように呼ばれ、 ダッシュ勢の数で1マークの形が変わる。

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